公園施設をよりよく知るための研究活動について④
【構造的安全率の検証】 ~素材自体の劣化と、構造の両面から施設の安全性を判断します~
ひとつの構造体として形成される遊具や公園施設は、構造的に荷重負荷の少ない柱が1本腐朽したからといって、簡単に崩壊するものではありません。構造的安全率(強度)と、客観的に判定された素材の劣化進行度との相関関係から、現時点での施設の劣化状況と安全率を算出し、点検者の主観ではなく、客観性を重視した、的確で無駄のない改修方法を提案します。また、今後の劣化スピードを予測し、残存寿命を算定することが可能であり、長寿命化計画の基礎データとして使用が可能です。
①柱間隔が大きい「木橋」の場合を計算してみると

柱素材:杉材
柱断面:100mmx100mm
柱長さ:3500mm
柱間隔:5500mm
上記条件から構造的安全率を求めると初期構造的安全率=110%
となります。
右写真のような劣化が進行した場合初期強度110%x現状強度80%
現状構造的安全率=88%
となり、NG判定となります。

この支柱内部が写真のように約20%腐食したと仮定した場合、素材の強度は初期値の約80%に減少します。
②柱間隔が小さい「複合遊具」の場合を計算してみると

柱素材:杉材
柱断面:150mmx150mm
柱長さ:2500mm
柱間隔:1000mm
上記条件から構造的安全率を求めると初期構造的安全率=300%となります。
右写真のような劣化が進行した場合
初期強度300%x現状強度50%
現状構造的安全率=150%
となり、OK判定となります。

この支柱内部が写真のように約20%腐食したと仮定した場合、素材の強度は初期値の約80%に減少します。
従来の点検では、柱単体の腐食状況で判断するため、腐食面積が大きい②がNGとなっていましたが、構造と安全率とを連動させて検証すると、柱断面・柱間隔共に不利な①がNGとなります。





上記の考え方を用い、対象施設の残存寿命を予測することも可能です。
